症例紹介

Case

2024/11/13

エキゾチックアニマル

ハムスターの耳介腫瘍の一例ハムスターの乳頭腫を外科切除した症例を解説

ハムスターは腫瘍ができやすい動物と言われており、その中でもジャンガリアンは特に多いと言われています。

「最近、家のハムスターがよく耳を気にしている」
「ハムスターの耳になかなか取れない耳垢がある」

と思っているハムスターの飼い主様はいらっしゃいませんか?
実はそれ、耳にできた腫瘍の可能性があります。

今回は実際の症例を交えながら、ハムスターの耳にできた乳頭腫という腫瘍について解説します。

ハムスターの乳頭腫とは

ハムスターの乳頭腫は皮膚や粘膜に発生する良性腫瘍で、特に耳介に発生が多いとされています。
腫瘍が耳の穴を塞いでいることも少なくありません。
この腫瘍は日本で人気のジャンガリアンハムスターによく見られますが、同様に飼育頭数の多いゴールデンハムスターでの発生は少ないと言われています。
乳頭腫の見た目はカリフラワー状であることが多いですが、見た目だけで診断することは困難です。
乳頭腫と確定診断をするためには、病理組織検査が必要です。

乳頭腫の治療

根治治療は外科治療のみとなります。
小さいうちは外科的な切除も比較的容易にできますが、大きくなると手術の難易度は格段に上がります。
乳頭腫に効果的な内科治療の報告はありません。
感染を起こしている場合は抗生剤を使い、炎症を起こしている場合は消炎剤を使用します。
しかしこれらの治療は症状への治療であり、乳頭腫に対しての効果はありません。

実際の症例

9ヶ月のメスのジャンガリアンハムスターが、
「右耳にゴミがついていて取れない」
ということで来院されました。
身体検査を行うと、耳介の内側にカリフラワー状のしこりが確認されました。

ハムスターの耳介の腫瘤

飼い主さまと相談の上、手術による摘出を行いました。

しこりを摘出している様子

しこりを摘出した後のハムスター

しこりは無事摘出することができ、手術当日に退院できました。
摘出したしこりを病理検査に提出したところ、乳頭腫という診断でした。
特に傷の治りも問題なく、現段階で再発もありません。

まとめ

今回の症例は、飼い主さまの発見が早く腫瘍が小さい状態で摘出することができました。
乳頭腫の様に良性の腫瘍であれば、外科治療で完治を目指すことができます。
しかし腫瘍が扁平上皮癌などの悪性であった場合やサイズが大きい場合は、既に転移が起きていたり、手術で取りきれず再発することもあります。
ハムスターの状態や年齢によっては麻酔のリスクがあり、手術を実施できない場合もあります。
獣医師としっかり相談した上でベストな治療を一緒に見つけていきましょう。

当院ではハムスターの外科治療も積極的に行っており、経験も豊富です。
他院で難しいと言われた手術も、一度当院までご相談ください。

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