2024/7/29
整形外科
犬のレッグペルテスの一例犬の歩き方がおかしい?手術で改善した症例
レッグペルテスとは犬の大腿骨の病気であり、若齢の小型犬で多い病気です。
若い犬が急に後ろ足を上げたり、痛みを示したりするとレッグペルテスかもしれません。
症状が出ている状態で放置していると歩行障害がどんどん強くなっていく恐れがあるため、早期発見・早期治療が望ましいです。
今回は犬のレッグペルテスについて
- 原因
- 症状
- 治療法
などを解説し、当院での症例をご紹介します。
ぜひ最後まで読んでいただき心当たりのある症状があれば当院にご相談ください。
犬のレッグペルテスとは
レッグペルテスとは犬の「大腿骨頭壊死症」を指します。
犬のレッグペルテスは大腿骨の股関節と接続している部位(大腿骨頭)や大腿骨頭と大腿骨骨幹をつなぐ部位(大腿骨頸部)で血流が減少して壊死してしまう病気です。
レッグペルテスは適切に診断、治療することで症状を大幅に改善することができます。
犬のレッグペルテスの原因
犬のレッグペルテスの原因は外傷のこともありますが、多くは遺伝による影響と考えられています。構造的な問題も挙げられますが、明確な原因物質は特定されていません。
好発犬種には
- トイプードル
- ポメラニアン
- ペキニーズ
- ミニチュアダックスフンド
などが含まれ、小型犬に多い病気です。
犬のレッグペルテスの症状
レッグぺルテスは4か月齢〜1歳齢頃に発症することが多いと言われています。
避妊手術の相談に動物病院を受診し、レッグペルテスが見つかることもあります。
発症初期の症状は
- たまに後ろ足を片方挙げる
- 片方の後ろ足をかばうような変な歩き方をする
などです。
症状が進行すると大腿骨頭や頸部が変形し
- 後ろ足を痛がる
- かばっている足の筋肉量が減少する
などの症状が出てきます。
レッグペルテスの多くは片側性の症状を示しますが、左右ともに発症するケースもあります。
犬のレッグペルテスの診断
レッグペルテスの診断では歩様の観察をし、触診で痛みや関節のズレがないかを確認します。
レッグペルテスの場合は後肢をかばうような歩様を示したり、触診で疼痛を示したりすることが多いです。
レントゲン検査では大腿骨頭や大腿骨頸部の変形が認められます。初期段階ではレントゲン検査で病変が認められるとは限りません。レントゲン検査で病変がわからない場合はCT検査でより詳しく調べることもあります。
犬のレッグペルテスの治療
残念ながら一度壊死してしまった骨を再生することはできません。
症状が軽度の場合は鎮痛剤などで内科的に治療します。しかし、壊死した大腿骨頭を切除しないと痛みが継続するので外科治療が適用されることが多いです。
「骨の一部を切除しても、歩けるの?」
と不安に思う方もいると思いますが、大腿骨頭を切除しても周囲の筋肉や靭帯が関節の働きを担うため次第に歩行可能になります。
歩行機能を十分に回復させるためには術後のリハビリが必要です。リハビリを行うことで落ちた筋肉量をもとに戻していきます。
手術後は適切なリハビリを継続することでより早く機能の改善を図ることができます。
症例紹介
当院で手術した症例を紹介します。
症例は避妊済み9か月齢のメスのマルチーズとプードルのミックスで左後ろ足を上げているという主訴で来院されました。
身体検査、レントゲン検査を行い、左後肢のレッグペルテスと診断しました。
上の写真はレントゲン写真です。
左の大腿骨頸部が右の大腿骨頸部と比較して太くなっているのが分かります。
犬のレッグペルテスの外科治療では大腿骨頭切除術という大腿骨の一部を切り落とす手術が行われます。
こちらが手術後のレントゲン画像です。大腿骨頭が切除されています。
この症例は手術後リハビリを終え、無事に歩行可能になりました。
まとめ
今回の症例のように若齢で後肢を挙げるなどの症状が出た場合はレッグペルテスの可能性があります。
レッグペルテスは適切に治療やリハビリを行うことで歩行障害は大幅に改善されます。
症状を放置すると筋肉量が減少し、歩行障害が悪化してしまいます。
レッグペルテスは早期発見・早期治療が大切です。気になる症状がある場合は早めに当院にご相談ください。
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